付き合っていた彼との結婚を見てもらったAさんは、ある占い師にこう言われました。

「相性もすごくいいし、相手はあなたのことをきちんと考えてくれている優しい人ですでも『金』のエネルギーが弱いからお金には縁がないですけど、いいですか?・」

Aさんはこれを聞いてなんとなくやる気を失い、ガッカリしてしまいました。

これから結婚して新しい未来を築いていこうとしているときに、「お金には縁がない」と言われたら、どう感じるでしょうか?

お金があれば幸せになれるわけではもちろんありませんが、ふたりでこれからの計画かにてようとしている人にとって、やる気が台無しですよね。

占いで、「あなたはこのような星を持っている」ということがよく言われます。

「その星を持っていると、こうなる傾向が強い」ということも、たしかにあるでしょう。ですが「この星を持っている=絶対にこうなる」と簡単に言い切れることではありません。

Aさんの場合でも、ここで出てくる「金」のエネルギーは「お金」のことだけを表しているわけではありません。仮にお金について言うとしても、「金が弱い=金運がない」と言えるほど簡単なものではないのです。

たしかに、もともと「金」の要素が強い人は「お金」に縁がある人生になるかもしれませんが、どのような縁なのか、どのような経緯でそうなるのか、一言でお金持ちと言ってもいろいろな表れ方があります。

お金のエネルギーが極端に強ければ、一生お金にとらわれて、そこに執着してしまう人生かもしれません。どれほどあっても満足を感じられず、お金のために生きてしまうかもしれません。

ひとつの状況には裏も表もあり、極端に偏れば、プラスのことがマイナスにひっくり返ります。長所も、行き過ぎれば短所になるようなものです。

ですから、「金のエネルギーが弱い=お金持ちにならない」とは言い切れないし、まして「お金持ちにならない=幸せにならない」とも言えません。

占い師の使う言葉の恐ろしさがここにあるのですが、この占い師は「Aさんはお金に苦労する」と言ったわけではありません。「特に強い縁があるというわけではない」という程度のことかもしれません。

ところがAさんは、まるで、「私たちが結婚したら、お金について苦労する」というように捉えてガッカリしてしまったのです。

このように受け止めてしまうのは、ある程度、誰でも仕方のないことだと思います。

Aさんが特に「お金」について聞いたわけではないのに、突然占い師がそれを取り上げれば、「お金に対してよっぽど良くないことがあるのだろうか?」と思ってしまうでしょう。わざわざこれを言われたということは、「他のことに比べて、お金で苦労するのかもしれない」と思いたくなるのではないでしょうか?

この占い師自身が、「お金が大事というような思いがあったからこそ、わざわざその部分に触れた」という可能性もあるわけです。だとすれば、この占い師の価値観に大きく影響されて出ている言葉です。

仕事のエネルギーがほとんどないと言われたのに、社長として成功している人もいます。「金が弱い=お金に縁がない」と言うほど単純なものではないので、ガッカリすることはありません。